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フレットがサビていたので磨いてサビを落とした話

2024/04/16

Fret-Migaki-thumbnail
 どうもこんにちは。もじゃおです。ここ数年間ギターに触れていなかったんですが、久々に引っ張り出してみたら弦とフレットがエラい錆びていたんですわ。


フレットのサビ落としはお店に頼んでやって貰うのが手っ取り早いんですけど、近くにそういったお店がないので今回は自分でやってみました。

 専用品ではなく家にあったモノで何となくやってみたら、小さい失敗はチョイチョイあったし、ハチャメチャに時間は掛かったものの、結構キレイになったので、あり合わせのモノでやってもこのくらいはできたよ。
という記録として方法や手順を書いておく次第です。

「本来はこういうモノを使った方が良いよ」という専用品の紹介と、「こうしたらもっと効率よく作業を進められるよ」というポイントも合わせて書いているので、参考になれれば嬉しいです。


フレットが錆びていることによるデメリットと、サビを落とした方が良い理由


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△弦とフレットがかなり錆びている


 フレットがサビていると単純に見た目が悪いとかザラザラして弾きにくいという以外にも、弦とフレットの接触が悪くなって音が不安定になったり新しい弦を張っても、弦が錆びやすくなったりします

弦だけ新しくしてもフレットがサビていると、ビブラートやチョーキング時に限らず、押弦しただけでも一瞬ギシギシしてイヤな感触があります。


 サビを落とす理由としては単純で、先に触れたデメリットを解消するためですな。
お店に頼んでやって貰うのが手っ取り早いんですけど、近くにそういったお店がないので今回は自分でやってみた次第です。


フレットのサビを落とす4ステップ


 フレットのサビを落とす方法を、4つのステップに分けて見ていくと…

  • 弦を外して指板とネック側面をマスキングする

  • スチールウールなどでフレットのサビを落とす

  • ピカールなどの研磨剤でフレット表面を滑らかにする

  • レモンオイルなどで指板の掃除・保湿をする


サビ具合が軽度であれば2.の工程を飛ばして、3ステップでキレイになるらしいんですが、私の場合はラチがあかなかったので、2.の工程を足してシッカリサビを落としました。


詳しく順に見ていくと…

1.弦を外して指板とネック側面をマスキングする


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△こうやって見るとサビやクスミの具合がよくわかりますな。

 今回はスチールウールやピカールなどを使いフレットを少しだけ研磨してサビを落とすので、その際指板やネック側面にキズつけないようにマスキングテープなどで指板を保護しましょう。

私はマスキングテープが途中で足りなくなったので、側面(バインディング部分)のテープを貼らなかったんですけど、作業効率がメチャクチャに下がったので、なるべくケチらずに貼る事をおすすめします



Amazon:3M マスキングテープ 243J Plus 10mm×18M 12巻パック

 また、使うマスキングテープの幅は10mm(1cm)のモノがおすすめ
私は家にあった15mm(1.5cm)幅のマスキングテープを使ったんですけど、15フレットよりも高音側のフレットは間隔が15mmよりも狭く、マスキングテープを細く切って貼る必要があり、それが結構面倒でした


 幅10mmのマスキングテープであれば

  • ロングスケール(648スケール)

  • PRSスケール(635スケール)

  • ミディアムスケール(628スケール)

  • ショートスケール(610スケール)



  • 上に載せたどのスケールのギターでも21フレットまでは切らずに貼れるので、だいぶラクにマスキングできます


    Amazon:KC フレット磨きプレート PFB-500 (2枚組み)


     また、マスキングテープを貼るのが苦手だったり、面倒な場合はフレット磨きプレートというモノもあります。
    これはだいたいフレットの幅に合っている穴が開けられた金属製のプレートで、プレートの穴にフレットをあてがって使うモノ。

     私は持っていないので使い勝手などはわかりませんが、「汚れが目立つ数フレットだけ磨きたい」という場合は便利そうですな。


    2.スチールウールなどでフレットのサビを落とす


    FretMigaki03


    △私はステンレス繊維のスポンジを使いました。


     マスキングが済んだら、#0000の極細スチールウール等を使ってフレットの表面をこすり、サビやクスミを落としていきます。


    Amazon:高森コーキ リペアの達人シリーズ スチールウール 20g


     本来フレットサビを落とす際は、上に載せたような#0000の超極細スチールウールを使って、フレットの表面をこすって磨くのが定番なんですけど、今回は手元にスチールウールが無かったので、ステンレス繊維のスポンジを使いました。


    Amazon:東和産業 キッチンスポンジ ピカトップ キッチンクリーナー

    △今回私が使ったのはコレですな。


    スチールウールよりもステンレス繊維の方が硬度が高いので、私が使ったステンレス繊維のスポンジでは削れすぎる心配も若干あったんですが、繊維径が12μm(0.012mm)と、#0000のスチールウールと同じだったので、「やさしくこすったらイケるんじゃない?」と思ってやってみた次第。

    FretMigaki04


    △最終フレットだけやってみた結果

     実際やってみたところ、特に削れすぎることもなく、ふつうにイケましたな。
    この調子で全てのフレット磨いてサビを落としていきます。


    FretMigaki05


    だいたいキレイになりました。


    3.ピカールなどの研磨剤でフレット表面を滑らかにする



    FretMigaki06


    △右側4本のフレットをピカールで磨いた後の様子


     このままでもイケそうな気もしますが、フレットの表面が荒れているとギシギシしたり、汚れがつきやすかったりするので、ピカールなどの研磨剤を使ってフレットの表面を滑らかに磨いていきます。

     この際、適当なクロスに研磨剤を付けてその布でフレットを擦ることで磨いていくのですが、細かい金属の粉末と研磨剤で布がメチャクチャに黒く汚れるので、捨ててもいいハギレ等の布を使うと良いですぞ



    Amazon:フェルナンデス スクラッチメンダー946

     私は家にあったピカールをその辺のハギレに付けて磨きましたが、世の中にはギターの金属パーツを磨く専用の研磨剤があるみたいなので、心配な方は上に載せたような専用品を選ぶのが良いと思いますぞ。


    4.レモンオイルなどで指板の掃除・保湿をする



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    △清掃・保湿した後の様子

     フレットのサビ落としと、磨き作業が終わったら、マスキングテープを剥がして指板の清掃を行います。
    ピカールなどの研磨剤で磨いたままだと、マスキングしていてもフレットのフチに細かい金属の粉や研磨剤が残っているので、指板の清掃ついでにそれらをできるだけ拭い去る感じですな。

     やり方としては適当な布でフレットをカラ拭きした後、別の布にレモンオイルやオレンジオイル等の指板清掃・保湿用のオイルを垂らして、指板全体を丁寧に拭っていけばOK。


    フレットのフチや根元に汚れが見える場合は爪楊枝や綿棒などで軽く擦ればキレイになりますな。



    Amazon:HOWARD Orange Oil 140ml


     私はSITのオレンジオイルを使いましたが、これから買うなら定番品で量も多いHOWARDのオレンジオイルがおすすめ

    また、オレンジオイルとレモンオイルの違いとしては、オレンジオイルは粘度・保湿力・洗浄力が高く、レモンオイルはサラッとしていて乾いたり馴染んだりするのが早い印象。


    あとは、匂いがオレンジっぽいかレモンっぽいかくらいの違いですな。

    (逆に言うと印象程度の違いなので、既にどちらかを持っているなら、あえて新しいモノを買わなくても良いと思いますぞ。)

     写真はオレンジオイルで清掃・保湿した後のものなんですけど、よく見るとフレットの根元に汚れが残っていたりするので、次に弦を交換する際もう一度やりたい感じはあります。


     これにてフレットを磨いてサビを落とす作業はお終いです。
    あとは新しい弦を張ればOKですな。


    フレットのサビ落としをやっていて思った、効率的に作業するためのコツとか




     フレットのサビ落とし自体は上の段で完了したんですけど、やっている中、要所要所でビミョウに失敗してハチャメチャに(弦交換と合わせて3時間半くらい掛かった)時間が掛かったので、


  • 「こうしたらもっと簡単にできたな」

  • 「アレがあったらもっと効率的に作業できたな」

  • 「ああしていればもっと速く進められたな」



  •  という様な、コツという程大したモノではないんですけど、改善点みたいな事を紹介しておく次第です。

    マスキングテープは幅10mmのモノを潤沢に用意しておく



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    △横方向のマスキングテープをケチったせいで、作業効率がメチャクチャ下がりました。

     私は家にあった15mm(1.5cm)幅のマスキングテープを使ったんですけど、15フレットよりも高音側のフレットは間隔が15mmよりも狭く、マスキングテープを細く切って貼る必要があり、それが結構面倒で時間が掛かりました


     更にマスキングをしている際に「これ絶対途中で足りなくなるな」と思ってネック側面(バインディング部分)に貼るテープをケチったんですけど、バインディングをキズつけないよう慎重にフレットのフチを擦っていたら、メチャクチャ(2時間くらい)時間が掛かりました

    「バインディング部にもキチンとマスキングしていればサビ落としと研磨はたぶん40分くらいで済んだ感があるので、マスキングテープは幅10mmのモノを潤沢に用意しておきましょう



    Amazon:3M マスキングテープ 243J Plus 10mm×18M 12巻パック

     10mmのマスキングテープであれば

  • ロングスケール(648スケール)

  • PRSスケール(635スケール)

  • ミディアムスケール(628スケール)

  • ショートスケール(610スケール)



  • 上に載せたどのスケールのギターでも21フレットまでは切らずに貼れるので、ラクに手早くマスキングできます

    ネックピローやネックスタンドを使うと効率よく作業できる



    Amazon:HERCULES HA206 ギターメンテナンス用ベッド


    △ネックピローやネックスタンドとは、こういうモノです

     私は持ってなかったので、使わなかったんですが、サビを落としたりフレットを磨く際、ネックがブレてビミョウに作業が進めにくかったです


    そのため、ネックピローやネックスタンドでネックの位置を固定してすると効率を落とさずに作業を進められると思いましたわ。


    フレットがサビていたので磨いてサビを落とした話のまとめ



    FretMigakiBA

    △こうやって見ると結構キレイになりましたな。


     そんな訳で今回は、久しぶりにギターを出してみたら弦とフレットが錆びていたので、家にあったモノを使ってこういう工程でサビを落としたよ。


    あとは「本来はこういうモノを使った方が良いよ」という専用品の紹介と、「こうしたらもっと効率よく作業を進められるよ」という話でした。

     見た目がキレイになったのはもちろん、弾いてみてもギシギシ感がなくなって、滑らかさが復活したのが嬉しかったですな。


     私はあり合わせのモノでやったのでハチャメチャに(3時間半とか)時間が掛かりましたが、ちゃんと道具を用意してやれば1時間とかでできそうな感覚があるので、フレットのサビに困っている場合は参考にしてもらえると幸いです。


    (おまけ)そもそもフレットが錆びないようにするには…


    FretMigaki01


    △錆び具合の強い1弦側のフレットが特に錆びている

     今回なんでフレットがここまで錆びてしまったかというと、単純に長い期間(4年くらい)放置していたから。
    それも、古い弦を張り替えないで放置したので、恐らく弦からフレットにサビが移ったのが原因ですな。



    Amazon:Elixirエレキギター弦 OPTIWEB


     なので(長い期間触れなくなる事が前もってわかっていたらの話にはなりますが)指板などの手入れをしてから新しい弦,特に錆びにくいコーティング弦やステンレス弦に貼り替えていたら、全くサビないとまでは行かなくても格段にマシになっていた事でしょう

    実はElixirの弦でもプレーン弦(細い弦)はコーティングされていないらしいのですが、アンチラスト(防サビ)加工がされているからか、プレーン弦も錆びにくい感じはありますな。




    Amazon:Bacchus TACTICS24-ASH/RSM


     また、そもそもステンレス素材のフレットを使っているギターもあって、そういったギターであればふつうのフレットと比べて極端にサビ難いので、平気だったかも知れません。

     サビ難い以外にもステンレスフレットはビブラートやチョーキングがやりやすいとか、削れにくくて寿命が3~4倍は長いといった実用上のメリット大きいので、これから買うならステンレスのフレットを使っているギターがオススメ

    もっと言うと…

  • ステンレスの(できれば高さがある)フレットを搭載している

  • ペグにロックペグを搭載している



  • 以上2点の要素を兼ね備えているギターを選べば、弦交換やメンテナンスといった「練習以外の手間」劇的に少なくなって良いと思いますぞ。


    以上でこの記事はおしまいです。 この記事が役に立ったり、参考になったりした場合は、ブログやTwitter・Facebookなどで興味がありそうな方にこの記事を紹介してくださると、とても嬉しいです。ぜひよろしくお願いいたします。


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